2019年11月10日日曜日

【LinQ インタビュー】ミニアルバム『anytime』をリリース LInQ 9年の歴史の中でメンバーそれぞれの思い

13日にミニアルバム『anytime』をリリースする、九州発の6人組アイドルグループ・LinQ。今回このミニアルバムについて、またLInQ 9年間の歴史の中で、メンバーそれぞれのこれまで、そしてこれからの活動についての思いを語ってもらった。

--まず、今回のミニアルバムはどんな内容になりますか?

吉川千愛「ミニアルバムを出すことは実はLinQ史上初めてなんです。収録されている5曲はそれぞれ色が全然違っていて、ずっと聴いてもらっても飽きがこない内容です。『anytime』を直訳すると、"いつでも、常に"という意味で、私たち自身がいつでも輝き続けて、いつでもファンの皆さんの応援をパワーにして、これからも目標に向けて走り続けるという思いがあったり、また、いつ聴いても楽しめるという意味が込められています」

--長い歴史の中でミニアルバムは初ですか。 LinQは結成されてどれくらいになりますか?

吉川「9年目になります。最初からいるのが、ここ二人(吉川、高木悠未)です。

--収録曲の一つ、『LOVE BOMB』はその初期メンバー・高木さんのセンター曲ですね。

高木悠未「はい。私をイメージして作ってくださったようで、歌詞の主人公も小悪魔的な要素があったり、ちょっとツンデレなところとか。あと"悠未"という名前にかけて"you&me"という言葉遊びをしていただいたり。曲の始まりも"ドゥワッ"という感じで、ウキウキ明るいサウンドになっています」

--高木さんは"小悪魔的"なんですか?

高木「いたずら好きで、たとえれば『トムとジェリー』のジェリーみたいなキャラクターです。サイズ感もそんな感じで、ミニマムで(笑)」

--メンバー一のチビっ子なんですね。そして『Wavy Hug』は新木さくらさんのセンター曲です。

新木さくら「この曲は90年代っぽい音で、リアルな世代の方にはちょっと懐かしく感じてもらえるんじゃないかと思います。でも歌詞的には今どきで、夏の終わりを感じさせるような内容になっています。忘れられない恋への思いを波打ち際で歌っている感じで。振付は覚えやすいので、初披露したときもみなさんさっそく一緒に踊ってくださいました」

--その他の3曲は誰がセンターということではなく……。

吉川「はい。一曲目の『anytime』はアルバムの表題曲になるんですけど、朝に聴いてほしい、元気が出る曲でになっています」

--では、その他の収録曲の紹介を早い者勝ちで(笑)。

海月らな「はい!『SHITAKATA-TRAP』は初の試みで、ほとんどがソロ回しなんです。今まではサビは全員で歌うことがほとんどだったんですけど、この曲はサビもソロ回しで歌っていて、6人の個性が集まった曲になっています。一番と二番で歌うメンバーが違うので、同じAメロでも一番と二番では雰囲気が違います」

高木「レコーディングでは結構苦戦しました。強い女という、今までのLinQにはなかった感じなので、新たな挑戦になりました」

金子みゆ「『ふたりの愛 SCREAM』は、冬のラブソングで、初披露したときには、みなさん『せつない曲でいいね』って言ってくださって評判が良くて嬉しかったです。男の子の気持ちと女の子の気持ちをラップで掛け合いするところがあって、私は男の子のパートを歌わせてもらっているんですけど、今回がラップ初挑戦でした。リズム感とかテンポ感を練習したので、たくさんの思いが詰まっている曲になっています」

吉川「歌詞の中に福岡の名所がふんだんに入っています。"天神"は東京の人でも知ってると思うんですけど、"西通り"とか"警固公園"とか"お櫛田さん"とか」

--そういう場所が福岡で男女がデートで行ったり、通ったりする場所なんですね。涼本さんが一番お気に入りの楽曲は?

涼本理央那「私は『LOVE BOMB』が一番好きです。リズムがほかの曲にはない感じだし、衣装もレトロ感があって、今までにない衣装で好きです」

--その『LOVE BOMB』でセンターを務めるのは高木さんですが、LinQはもともと高木さんセンターの曲が多いんですね。

吉川「はい。最初はずっと悠未がセンターで。それで『IQプロジェクト』というグループ内の再編プロジェクト(2016年〜)があって、それ以降センターがさくらになりました」

--新木さんはそのときには、歴史あるグループのセンターというプレッシャーのようなものは感じましたか?

新木「最初自分が見てた景色とは違うなと感じて。それまで端っことかセンターじゃないときは、目の前にいる人を楽しませようという気持ちでやっていたんですけど、センターになったとき、誰も私のことを見ていないと最初思ったんですよ。だから逆に自分が全体を見ようと思って、そこからライブをするにあたって自分のパフォーマンスを変えていこうと思うようになりました」

--なんでまた、誰も自分のことを見ていないと感じたの?

新木「定期公演をよくやる天神ベストホールが、センターの目の前だけ通路になっていて座席がないんですよ。それもあって自分は見られてないなという感覚があって」

--一時期は20人近くメンバーがいたこともあったけど、今は6人の少数精鋭体制ですね。

新木「今は一人一人にスポットが当たるので、みんながセンターみたいな感じです」

--少人数ならではの楽しさってやっぱり全員がクローズアップされるところ?

吉川「そうですね。大人数で全員がマイクを持つと技術的にトラブルになるじゃないですか。会場によっては3本しかマイクがないときもあったり。今は6人全員がマイクを持たせてもらっています」

新木「各地への遠征や取材も選ばれたメンバーだけが動くという形でした。今は全員で活動しています。車一台で移動できるので」

高木「2年目のメンバー二人(涼本、金子)は、マイクを持たせてもらえない経験をしていないし、『選抜から漏れて選抜に入るために頑張る』という思いを持ったことがないけど、今が当たり前という思いは持ってほしくないなという気持ちはあります」

海月「私はLinQ5周年、6周年、7周年あたりは3時間くらいのライブ中1回もマイクを持てなかったんですよ。ずっとバックダンサーみたいな感じで、でもその後、11人体制、9人体制、そして6人体制となるに連れてマイクを持たせてもらえるようになって。マイクを持てるありがたさを一番実感できる立場なのかなと思います」

--海月さんは、吉川さん、高木さん、新木さんの先輩メンバーと、若手二人の中間的な立場ですね。

海月「今回もミニアルバムで5曲、歌割を決められるにあたって、歌割を決めるレッスンまでの間に少しでも多く自分のパートをほしいという気持ちで練習しました。6人体制になってよかったなと思える部分もたくさんあるので、これからも少人数だからこそ見せられるLinQでもっと大きくなっていきたいなと思います」

--金子さんは現在はまだ学生で?

金子「はい、16歳です。学業との両立は大変ですけど頑張っています。中学生の頃にLinQの研究生になって、高校生になってからはありがたいことに休みも少なくなり、友達と遊ぶ時間もどんどん減っていっているけど、学校の友達も応援してくれるので頑張れます。ライブにもたまに遊びに来てくれて。現場に来てまで応援してくれる友達がいるというのは恵まれているなと思います」

--現場に来てくれるのは男子も?

「はい。サイン会に来てくれて。こっちもぎこちないんですけど(笑)。いつも教室で話してる子が……と不思議な気持ちになりました。でも嬉しかったです」

--金子さんは最初のほうからマイクを持たせてもらっていた?

金子「研究生の頃に20人くらいの中でセンターをやらせていただいていたんですけど、そこから新グループとLinQの新メンバーに分かれるオーディションがありまして、私と理央那さんがLinQの新メンバーに選ばれました。そのときもマイクを持たせてもらえました。マイクをなかなか持たせてもらえなかった時代の話を先輩方から聞くと、今は恵まれているなと思ってて、だからって甘えちゃいけないと思っているし、もっともっと努力していかなければと思いました」

涼本「私は昔からLinQのライブを見ていて、私もLinQになってマイクを持って歌いたいと思っていました。まさか大人数から解体されて少人数になるなんて思ってなかったから、今は畏れ多い気持ちでいっぱいなんですけど、その分ちゃんと期待に応えられるように歌もダンスも練習して、人前で自信をもってパフォーマンスできるようにならなければと思います」

--この二人や海月さんはすでにLinQに憧れていた世代なんですね。そういったエピソードからもグループの歴史を感じさせられます。

海月「私が中学1年生くらいのときに、悠未さんがセンターの『カロリーなんて』という曲の動画を見ていて気になって、最初は性格悪そうな人なのかなと思っていたんですけど(笑)、入ってみたら、本当に尊敬できる先輩で、いろんなことを教えてくださいますし、千愛さんもさくらさんもLinQに対する思いが熱くて、この先輩にずっとついていきたいなと思える先輩だったから、ここまで来れたと思います」

--憧れていた人と並んでステージでパフォーマンスするって、不思議な感覚なのかも。

高木「私たちは自分たちから始まっているので、LinQを知っとるから入るっていう後輩たちってどんな気持ちなんだろうと。先輩にビクビクしながらの日々ってどういう思いなんだろうって(笑)。私最初、性格悪そうと思われることが多くて(笑)。私は人見知りだし、みゆと理央那とも打ち解けるのも私は遅かった」

金子「私も人見知りなので、あまり自分から話せなくて、先輩にビクビクしていたというか、LinQってどんな雰囲気なんだろうなと手探りだった時期はあまり話してなかったなと思います」

--そういう人見知りの先輩や後輩の間に入って、人間関係を円滑にするのはリーダーの役目?

吉川「そういう意識はあまり強くなくて、気づけばみんな打ち解けていた感じです」

海月「一緒に練習をしているうちに仲を深めていったというか」

高木「練習で毎日会うので、毎日おったらそれぞれの性格とかもつかめますし」

吉川「少人数のアイドルグループって、同期で入ってそのメンバー固定でずっとやっていくことが多いですが、LinQってリリースイベントとかやっているときに思うのが、ステージのMCで『~ですよね』とか敬語でやりとりすることもあって、初めて見た人はどういう関係性なんだろうと思われるんじゃないかなと。でもそこには9年という歴史があって、そこもLinQならではの面白さなんじゃないかなと思います」

--"アイドル戦国時代"と言われるようになった2010年、2011年頃に結成のグループってたくさんあって、そんなグループがこの2〜3年間のうちに解散するケースがとても多かったですが、LinQが続けられているポイントって?

吉川「私たちは九州拠点、福岡拠点でやっていることも強みだと思っていて、東京中心で活動していたらどうなっていたかわからないなと思います。地元で応援してくださっているファンの方だったり、地元企業の方々もすごく応援してくださって、地域一体となってLInQを盛り上げていこうというサポーターの皆さんがいるからこそ、続けられていると思います」

高木「私も同じくだと思うんですけど、東京で対バンイベントに出ると、同期だったグループがいつの間にかなくなっていたりすることが最近多く、そんな中でアップアップガールズ(仮)さんとか同時期にデビューしたグループが頑張っているのを見て私たちも頑張らなきゃと思って、アイドル同士でも刺激を受け合っています。久しぶりに会って、『頑張ってる?』『頑張っとうよ』って言い合える関係性のグループがあるのは嬉しいです」

--同時期にデビューして、活動歴が10年近くになって、今も残っているグループのメンバー同士って戦友意識みたいなものを感じるのかもしれませんね。

高木「はい。また9年間でアイドルの中の流行も変わってきて、今勢いがあるグループの傾向って、9年前とはまた違っていて面白い。流行りが移り変わるに連れ、LinQが波に乗れるような巡りになるかもしれないし、まだまだ頑張ろうと思います。最近はサブカル的な匂いがするグループなどいろんな個性のグループが増えてきていますが、そんな中ではLinQは王道だと思うので、そこは大事にしたいと思います」

--LinQはメジャーリリースしていた時期も含めて一貫して地元・九州発信で。

高木「はい。九州から発信する形です。東京のライブを観てファンになってくださった方が九州にたくさん来てくださったら九州も盛り上がるし、九州を盛り上げるトップの存在がLinQでありたいなと思います」

--涼本さんや金子さんの世代はLinQは九州ではもう広く知られた存在だったと思いますが、その前の世代のメンバーはどうやってグループに入ろうと思ったんですか?

新木「私はアイドルといえばAKB48くらいしか知らなくて、LinQのことは知らなかったんですけど、妹がグループの募集を見つけてきたんです。私は芸能界には興味があったけど、アイドルにはなりたくないと思っていて。高校も芸能コースのある学校に入ったんですけど、でも1年間何もせず、なんで芸能コースにいるんだろうという感じだったんですけど(笑)、でも妹について来てほしいと言われて、LinQのライブに初めて行って、自分の思っていたアイドル像とは違うなと感じて、『あ、おもしろそう』『すごいな』と思いました。もともと自分の夢が、清涼飲料水のCMに出ることだったので、アイドルを踏み台にしてCMに出たいと思って受けたら、受かったという流れですね」

--今や踏み台どころかセンターを担うまでに。

新木「練習生の頃、辞めるか辞めんかという思いもあったんですけど、でもデビューしてからはめちゃめちゃ自分に合ってるなと思って。そこから飲料水のCMというよりはずっとアイドルをやってたいという気持ちになりました」

--LinQとしてもいくつかCMをやっていると思いますが、清涼飲料水はない?

新木「まだないですね。甘酒のCMは経験したんですけど。もうそのときには18歳くらいになっていましたが、私の理想は16歳くらいで ◯◯◯スエットのCMに出るというイメージだったんです(笑)」

--そしてグループ全体の夢は?

高木「マリンメッセ福岡でのライブです!」

--それは、東京でいえば武道館のような。

高木「そうですね。とても高いハードルだと思うんですけど」

--今の手応えは?

吉川「まだまだがんばらないといけないなと思います。マリンメッセに行くというのは、大人数の時代から言っていて、それをずっと継承していて、『継続はマリンメッセなり』という言葉を悠未が作り、それをライブでも言い続けています。そういう言葉を掲げて、みなさんと一緒に走っていこうという気持ちで、定期公演などをやっています。マリンメッセ、簡単に行けるもんじゃないというのは重々承知なんですけど、頑張っていきます!」

--もし実現できれば、これまでLinQに関わってきた人たちも嬉しいでしょうね。

吉川「卒業していったメンバーたちからも『マリンメッセは託したよ』という思いを受け継いでいるので、今いる後輩、これから入ってくるメンバーにもその思いを伝えて一緒に叶えていかなければと思います!」

〈プロフィール〉
LinQ(リンク)
2011年2月に結成。以来、福岡市を拠点に活動。同年6月、シングル『ハジメマシテ』でCDデビュー。2016年末から、"解体・再開発プロジェクト"と銘打ったメンバー再編成を実施し、翌年"IQプロジェクト"の名のもと新生LinQとしてスタートした。2016年からテレビアニメ『妖怪ウォッチ』のエンディングテーマを担当し、人気の幅を広げる。2019年、結成9周年記念ライブをZepp Fuokuokaで開催した。

ミニアルバム『anytime』は11月13日発売。

■『anytime』リリースイベント情報

11月12日(火)【福岡】HMV&BOOKS HAKATA イベントスペース
11月13日(水)【福岡】天神某所  ※後日詳細をオフィシャルHPより発表
11月14日(木) 【大阪】HMV&BOOKS SHINSAIBASHI 店内イベントスペース
11月15日(金) 【名古屋】サンシャインサカエ B1F グランドキャニオン広場
11月16日(土) 【東京】お台場某所  ※後日詳細をオフィシャルHPより発表
タワーレコード新宿店  
11月17日(日) 【神奈川】ラゾーナ川崎プラザ 2Fルーファ広場 グランドステージ

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