東京女子流の新井ひとみさんがソロプロジェクトを始動。太田貴子さんが歌ったアニメ『魔法の天使クリィミーマミ』の主題歌『デリケートに好きして』(1983年)をカバーし、27日にリリースする。古き良きアイドル全盛期を感じさせる、ノスタルジックさを併せ持った"80年代アイドル風アイドル・新井ひとみ"をコンセプトに活動していくという。そんな新井さんに、今回のプロジェクト、そして80年代への思いについて聞いた。
--まずはこのプロジェクトが決まった経緯を教えてください。
「はじまりはスタッフさんから、『デリケートに好きして』という曲を私が歌ったら似合うんじゃない?と言っていただいたところからでした。そしてこの曲についてや、80年代について調べたりしているうちに、こういうことをやったらみんな喜んでくれるんじゃないかなとかやりたいことが膨らんで来ちゃって……。スタッフさんに相談させていただいたら、こういう形でデビューすることが決まりました」
--なるほど、楽曲ありきだったんですね。
「はい。結構前から『太田貴子さんの歌声に似てるね』とずっと言われていたんです」
--東京女子流のテイストとはまた違いますよね。このいまどきではない、80年代アイドルの世界観を表現するに最初はとまどいはなかった?
「私に合ってるといえば合ってるのかな、と。たとえば私がやる芸人さんのモノマネとかちょっと昔のものだったりするんですよ。女子流メンバーからも『それちょっと昔じゃない?』とツッコまれたりしていたので(笑)。知らないことばかりなんですけど、お母さんの世代だったりするのでかけ離れた世界でもない気がします。言葉を調べていくと、『あ、この言葉知ってる』とか、私自身も楽しんでいます」
--実際に歌ってみてどうでしたか?
「やっぱり東京女子流のときとは歌い方が全然違います。東京女子流のときは結構強めに歌っているのですが、『デリケートに好きして』では、80年代アイドルふうに跳ね上げる感じで歌っていて、その歌い方というのは女子流ではなかなかないのでちょっと難しかったです」
--細かなこだわりもありそう。
「はい。この曲が私に似合うよと言ってくださった方がディレクションをやってくださって、細部にまでこだわったレコーディングとなりました。なので、じっくり聴いてもらいたいなと思います」
--たとえば、歌い方がカッコよくなりすぎだからもうちょっと昔ふうに、とか?
「ディレクターの方が『クリィミーマミ』をずっと観ていたそうで、その当時のことをイメージしながら『もうちょっと甘い感じかな』とか、そういうわかりやすい言葉で指示してくださいました。私もこの曲を歌うにあたって、アニメを全部観たので、『あ、こういう感じですね』と、イメージがわきやすく、制作が楽しかったです」
--今後イベントやライブも予定されていますね。
「はい。みんなに楽しんでもらうのが一番だと考えて、パフォーマンスやライブの内容について考えていけたらいいなと思います。そのためには私自身も楽しみたい!」
--東京女子流とは違う、こちらの「新井ひとみ」としての試みなどはあるんですか?
「はい。先日親衛隊ミーティングをやらせていただきました。『デリケートに好きして』のコールを私が考えて、模造紙に書いて提案しました。手作り感満載なんですけど(笑)、みんなからも『いいじゃん』っていい反応をもらって。それで、この間の東京女子流の『新・定期ライブ』(11月)で "アニソン女子流" というテーマでやらせていただいたときに、『デリケートに好きして』を歌わせていただいたんですけど、みんな率先してのぼりなどを持ってきてくれたんです。事前にこの曲を歌うとは言ってなかったのに。すごく大きな声で掛け声してくださったりして、元気をもらいました!」
--80年代アイドルっぽいコールで?
「はい。ハチマキとかハッピも用意してくださったり、メガホンを持ってきてもらったり……。27日に発売されるCDのなかに"ひとみ全部BOX"といって、CDやVR映像、ひとみ大好きハチマキやアクリルバッジも入ってるので、応援に来てくださる方にはぜひ手に入れていただきたいです。あと親衛隊内の係も決めました。最初に掛け声を上げるコールリーダーとか、毎日 #新井ひとみ でつぶやく係とか……」
--ファンは今のところやはり女子流ファンが多い?
「東京女子流の新井ひとみを知らなくて初めて来た人でも楽しんでもらえるようなライブの構成だったりパフォーマンスをしていきたいなと思います。親衛隊ミーティングには、女子流のライブなどに来たことがないという人も来てくださいました。初めて来た方でもファイルに名前を書いていただければ、次から親衛隊のとしての係を私が決めますので(笑)。みんなの青春に寄り添えるような存在になれたらいいなと思います」
--みんな……ということですが、この曲が青春という世代といえば、40代後半以上のような。親御さん世代だと思いますが、そこ対象ということでいいんですね?
「はい! 昔テレビで親衛隊が盛り上がっているのを見て、『あ、行きたいな』と思ってたけど当時は行けなかった方も、私がひょっこり出てきたことで、来てもらって、当時みんながいいなと思っていたものを出来るような空間を作っていきたいなと思います」
--そもそも"親衛隊"の存在って知ってましたか?
「もともとはわからなかったんですけど、80年代のことを調べるのにあたって動画を見ていると、アイドルがステージで歌っているときにたまにファン客席側も映るんですけど、みんなで揃いのハッピ着てハチマキしている姿で応援している方々がいて、それが親衛隊なんだって知りました」
--近年のアイドルファンって大人数の集団行動というより、結構個人個人や少人数単位で動いている人が多い気がします。
「みんなで同じコールを練習したり、『いくぞー』って声を出したり、そういうのが全部新鮮です」。
--そういえば以前のインタビューで『Reborn』(東京女子流)をライブで歌うときに「お・れ・の友梨ちゃーん」とか、そういうコールが新鮮という話がありましたね。
「はい。今でもあるんですよ、そのコール。私も口ずさんじゃいます(笑)。今日は言うかな、言うかなって楽しみにしています。『おー言ってくれた!』みたいな。すごく楽しいです」
--そういう感覚をちょっと体験してから、今回のソロ企画に入れてよかったですね。ちなみに、この「新井ひとみ」企画は単発ではなくて、シングルリリース以降も続いていく?
「そうですね。この先できればオリジナル曲もお届けできたらなと思います」
■"おじゃま虫"には私の思いがつまっているんです
--ところで昔のアイドルって、新井さんから見てどんなイメージ?
「今のアイドルと比べ、そんなに頻繁には会えないイメージがあります。"テレビの中の人"みたいな感じで、簡単に手の届かないような」
--今みたいにアイドル本人が稼働するリリースイベントもそんなに多くはなかったですからね。
「当時のテレビの歌番組って、一人一人セットが違っていて、その曲を引き立たせるセットの中で歌唱されていたのが楽しいなと思います。次は誰が出てきて、どんなセットで歌うのかワクワクしていたんじゃないかなと思います」
--80年代に全盛だった『ザ・ベストテン』(TBS系)とかね。
「そういうワクワク感も今回みんなに感じてもらいたいと思います。今回MV撮影は仙台(新井さんの地元)でやったんですけど、昔の歌番組で、中継をつないで、ここどこ?というところで歌っていた場面もあったのですが、MVでもそれにちなんでテレビ番組の中継風で歌っています」
--それこそ、まさに『ザ・ベストテン』ですね(笑)。
「"ひとみ全部BOX"に入っているVRも私が全てディレクションをさせていただきました。こだわってるんですよ。昭和風の喫茶店で撮影をさせていただきました。お店には松田聖子さんのポスターが貼られていたり、その時代の本とかもたくさんあったり、そういうワクワクする場所だったんですね。撮影のとき、お店に貼られているポスターを私のポスターにしてもらって、お店を私だらけにしてもらいました(笑)。VRは私とデュエットしている風で、普通に歌って踊ってじゃなくて、VRの特性を生かして、より近くに感じてもらえる感じになっています。アクションが多めになっているので、ライブでは観れないような楽しみがこのVRでは観れます」
--最初のきっかけは人から勧められてでしたが、結構前のめりになってきているみたいですね(笑)。あとキャッチフレーズ。80年代アイドルがデビューするとき、みんなキャッチフレーズをつけられていましたが、いまどきないですよね(笑)。
「それも私が考えさせていただきました!『みんなの心におじゃま虫』! "おじゃま虫"という言葉を絶対に入れたくて、この言葉が心に響いたから。キャッチフレーズには私の思いがつまっているんです!」
--いまどきの言葉ではないけど(笑)。
「でも可愛いじゃないですか!」
--今回のプロジェクト、周りの反響はどんな感じですか?
「『このヘアスタイル似合うね』と言われることが意外と多いです。最初は地毛でセットしてもらっていたんですけど、せっかくやるからには本格的に仕上げたいと思い、これを作っていただきました。髪を髪の毛屋さんで買うんですよ。それでヘアスタイルの注文をして、この髪型に仕上げてもらうんですけど、これはもう2代目です」
--早くも!?
「初代のときは、カットしてもらったら前髪も短くなって。髪のセットも、アイロンで巻けなくて、ピンで留めてスプレーでめっちゃ固めたんですね。そしたら固まって撮影はうまくいったんです、でもそのあとシャンプーを使って、サラサラの状態に戻そうとしたら、抜け毛が激しくて、使っているうちに髪が薄くなってしまったので、2代目を作りました」
--これをきっかけに、アイドルや音楽だけでなく80年代文化への興味は?
「わいてきました! 最近は常日頃から80年代のものに目が行きがちです。神保町の古書店で、アイドル雑誌の『明星』の当時のものを見たり。高円寺に80年代の雑貨で有名なお店もあるらしくて今度見に行きたいなと思います。昔の雑貨って見ていて可愛い! 集めたくなっちゃって。ファンの方でも80年代に青春を過ごし、『クリィミーマミ』を観てた方が多くいらっしゃって……」
--女子流を知らなかった人で、 昔のアニメや80年代アイドルが好きだった人も女子流ライブに応援に来るようになればいいですね。
「そういうつながりもできたらいいなと思います」
--最後にこの「新井ひとみ」として、改めてみなさんにメッセージを。
「呼ばれたらどこにでも飛んでいきたいし、観ている人がワクワクするようなパフォーマンスをお届けできたらいいなと思います。まずはみんなに楽しんでもらうということを第一に、手作り感多めなんですけど、ひとりの新人歌手として活動させていただきます。私も頑張ります!だからみなさんにも応援していただきたいと思います!」
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