2013年12月18日水曜日

カオス*ラウンジが12月に展覧会「LITTLE AKIHABARA MONUMENT——アウ?ァンギャルドでもキッチュでもないもののためのモニュメント——」を開催

キャラと瓦礫の理想郷


カオス*ラウンジが12月8日(日)~12月22日(日)の期間中、みどり荘 /MIDORI.so みどり荘ギャラリーにて展覧会「LITTLE AKIHABARA MONUMENT――アヴァンギャルドでもキッチュでもないものためのモニュメント――」を開催することが決定した。

この展示会のコンセプトのベースとなっている「LITTLE AKIHABARA」構想は、2011年11月に「震災後のオタクカルチャー」を描いた『カオス*イグザイル』(「FESTIVAL TOKYO 2011」主催作品 )の中から生まれたもので、本展は『カオス*イグザイル』の続編にあたる。

出展アーティストは、近年では「福島第一原発観光地化計画」の委員としても活躍している梅沢和木。個展『キャラクトロニカ』、グループ展『ア・ワールド・ピクチュア』展 ( ともに2013年、芸術係数企画、アースプラスギャラリー)などで注目を集めた藤城嘘。主にインターネット上で活動し、常に最も過激でラディカルな画像コラージュを制作し続けてきた荒渡巌。「美少女キャラクター」に実存的な主題を重ねて絵を描き続けてきたかなみともら、カオス*ラウンジのコアメンバーが参加。

さらに、震災後、被災地が舞台のひとつとなるウェブサイトゲームを制作している KOURYOU。「美少女フィギュア」をモチーフに、イコンのような絵画を制作している東麻奈美。そして注目すべきは、独自のアプローチで情報社会における国家と個人の関係を描く今井新、「ニコニコ生放送」最初期の歴史を調べあげることで、「生主(なまぬし)」と呼ばれる動画配信者たちの狂気にも似た表現欲求を取り出そうとする「ニコ生界の柳田國男」こと秋國まみらアーティストたちも参加する。

展示会情報

LITTLE AKIHABARA MONUMENT――アヴァンギャルドでもキッチュでもないものためのモニュメント――

主催:カオス*ラウンジ 協力:みどり荘 /MIDORI.so
会場:みどり荘 /MIDORI.so みどり荘ギャラリー 〒153-0042 東京都目黒区青葉台3-3-11 3階
会期:2013年12月8日(日) – 12月22日(日) 会期中無休 時間:11:00 – 18:00(週末は20:00まで) ※毎週末にイベントを予定

【関連展示】
12月15日(日)から24日(日)まで、東京藝術大学美術館において、
本展キュレーター黒瀬陽平のインスタ レーション展示と博士論文発表を行います.

【出展作家】
梅沢和木(カオス*ラウンジ)、 藤城嘘(カオス*ラウンジ)、 荒渡巌(カオス*ラウンジ)、
かなみとも(カオス*ラウンジ) 、秋國まみ、今井新、東麻奈美、KOURYOU


「LITTLE AKIHABARA」について

「LITTLE AKIHABARA」は本展のために構想されたフィクションである。
主人公は、2011年3月11日の大震災以後を生きる「オタク」たちである。
彼らは、それぞれの「やむにやまれぬ理由」で、日本を去り、異国の地で暮らしている。
彼らは、移り住んだ異国の地で、かつて栄えた故郷の「聖地」を想う。

彼らはいま、自らの手で、異国の地に自分たちの「聖地」を再建しようとしている。
都市計画から見放された郊外の空き地に、寄せ集めの資材でできた奇妙なバラックを建て、
少しづつ、かつての聖地、「秋葉原」を再建しているのだ。
それは一見、貧しいスラムのようだ。そこには山手線もなければ、中央通りもない。
しかし、それぞれのバラックには、超圧縮された日本のオタク/カルチャーが詰め込まれているのである。
電気街だった頃の秋葉原のように入り組んだ路地もあれば、同人誌即売会のように長机が並べられた露店もある。
かつての「リナックスカフェ」を思わせるラウンジには、ギークたちが集う。
そして街の中央には神社のような建物があり、その内部には、おびただしい数のキャラクターが整然と描かれている……

「LITTLE AKIHABARA」は、日本のオタク/ネットカルチャーの、ひとつの可能世界である。
それは、「最悪の未来」のように見えるかもしれない。しかし、その「最悪の未来」に生きながら、自分たちの力で、 自分たちの大切なものを守ろうとする彼らは「最高のオタク」であるにちがいない。

「LITTLE AKIHABARA MONUMENT」について

本展は「LITTLE AKIHABARA MONUMENT」と名づけられている。
「LITTLE AKIHABARA」の全体構想は、亡命したオタクたちが作った架空の「都市」そのものを作品化する、という巨大なものである。したがって、実際の展示の際には、都市の各セクションごとに分割して展示をおこなう。
つまり本展は「LITTLE AKIHABARA」の「MONUMENT」が建設されているセクションの展示である。
「LITTLE AKIHABARA」にある「MONUMENT」とはつまり、すでにほとんどが失われてしまったオタク/ネットカルチャーのための「MONUMENT」であり、残さなければならないもの、忘れてはいけないものを、形にし、保存し、 記憶を継承しようとするためのセクションである。

「MONUMENT」のモチーフには「サーバー室(データセンター)」を選んだ。
「サーバー室(データセンター)」は、インターネットを支えるインフラとして、最も重要かつ、
不可欠な物理層であると同時に、インターネットの大いなる恩恵に預かってきた、
震災直前までの日本のオタク/ネットカルチャーの記念碑として、ふさわしいモチーフである。
「サーバー室(データセンター)」を模したモニュメントの内部には、アーティストたちによって、日本のオタク/ ネットカルチャーの、歪ながらも濃密で、かけがえのない歴史と、その歴史に大きな切断線を引いた、あの震災と原発 事故の記憶が刻まれているのである。

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