渋谷で民家の運営を中心にさまざまな活動を行っている「渋家(シブハウス)」の6代目代表に創設者である齋藤桂太が改めて就任した。
渋家は、1つの大きな民家を素材としたコミュニケーションスペースであり、そこに集まった異なるジャンルのアーティストやクリエーターと共にコンテンツを生み出すクリエイティブユニットでもある。2008年にプロジェクトを開始し、3度の引っ越しや5回の代表交代によってコミュニティを拡大させ、現在のメンバーは34人。
活動6年目を迎えるなか齋藤桂太は改めて代表に就任する理由を次のように語る。「渋家は今まで、コミュニティの"生成"に取り組んできました。しかし、コミュニティの人数が集団としての最小単位を超え、成員同士のコミュニケーションが活発に行われるようになった今、重要なのは既にあるコミュニティが『どのように存在すべきか』だと考えるようになりました。私が改めて代表になるのは、渋家の"代表"という仕組みを、内部に影響を与えるフェーズではなく、外部にアプローチするフェーズに移行させるためです。これからの渋家は家の内部から外部へさまざななコンテンツやプロジェクトを持ち出していきます。つまり渋家は、単一のコミュニティからネットワーク上の1つのポイントへと変化する、ということです。そのための基本的なネットワークを構築し、次の代表へと引き継ぎたいと考えています」
また、メンバーの1人で、渋家の編集長である西田篤史は現在の活動について次のように説明する。「現在の渋家は、コミュニティマネジメント、イベントオーガナイズ、アートインキュベーションの3つを柱として活動しています。直近の活動では、齋藤桂太が NHK『ニッポンのジレンマ』に出演するなど、新たなコミュニティのプロトタイプとして渋家が評価されたことを受け、これまであまり表に出さなかった生活コンテンツの公開やアーカイブ化を進めています。そのほか、より多くの人と関わることを目的として、イベントの主催や出演を積極的に行っており、12月22日には、毎月22日に開催している『渋家ホームパーティ』を外に拡大させた400人規模のイベントを行います。またアート方面では、森美術館で開催されている『六本木クロッシング』に『全国のディスカーシブ・プラットホーム』として選出されたことを受け、アーティストのメンバーが中心となり、外部の人間も参加可能な"対話の場"である『Shibuhouse Art Secret Meeting』の発足を準備しています」
渋家には、インターネットレーベル•Maltine Records主宰のtomadや、「テラスハウス」に出演し今年は「シブカル祭 2013」や「Girl’s Award 2013」でもおなじみの、ちゃんもも◎などが在籍しており、今後、異なるジャンルのアーティスト、クリエーターのコラボレーションから、どのようなコンテンツを生み出していくのか期待される。
また、今年2月「文化庁メディア芸術祭」に"インターネットおじさん"として参加するなど、自身もパフォーマーとして活躍する株式会社渋家代表取締役社長の山口季邦が、これからの渋家の未来について話してくれた。「渋家は引っ越しを重ねることでコミュニティを拡大させ、現在も次の引っ越しを計画しています。ただ、次の引っ越しは渋家にとって大きな転換期となるものだと考えています。これまでは賃貸での引っ越しを続けてきましたが、次の家は購入を視野に検討しているからです。メンバーの人数は現在の3倍の100人、家の大きさは100人のコミュニティが十分に入れる規模を目指す必要があります。また株式会社渋家の企業理念は『文化により多くの資本を』であり、アーティストやクリエーターが好きなことを好きなだけやれる環境を整えることが使命です。将来的にはメンバーと共に国家の枠組みに関わるようなプロジェクトを行って、すべての予算をアーティストやクリエイターに使いきることが目標です。そのために、現在、渋家は"住人"の募集は行ってはいませんが、プロジェクトに参加する"メンバー"は随時募集しています」
今後、予定されている渋家の活動は、11月30日、新代表の齋藤桂太の「ニッポンのジレンマ」(NHK Eテレ)出演、12月20日、インターネットレーベル•Maltine Records主催のイベント「山」(WWW)への協力、12月21日、アートジャーナリズムのラウンドテーブル•CAMP主催のイベント「現在のアート<2013>」(森美術館)への出演、12月22日、毎月開催の「渋家ホームパーティ」を外に拡大させた「渋家ゴールデンマキシマムファンタスティックエクストリームホームパーティー」(風林会館ニュージャパン)の主催、同じく12月22日、森美術館「六本木クロッシング」の関連イベント「ディスカーシブ・プラットホームとは?」(森美術館)への参加、などがある。
また、来年以降も毎月22日に「渋家ホームパーティ」を開催するほか、地下イベントスペース•クヌギで継続してイベントの開催や募集を続けるなど、さまざまな活動情報はリニューアルされた渋家Webサイトにて公開される。
渋家
http://shibuhouse.com/
渋家とは
渋家は渋谷駅から徒歩7分、道玄坂をのぼった上にあります。今までに3度の引っ越しを重ね、今も次の引っ越しを目指しています。メンバーは現在、36人を数え、その殆どが何かのクリエーターです。異なるジャンルのクリエーターが集まって一つの大きな家をシェアしています。生み出された展示、企画、イベント、プロジェクトは数えきれないほどあり、その中には大手メディアが 取り上げてくれるものも増えてきました。この家には、ちょっとわかりにくいけど、新しくて面白いものがたくさんあります。だから、そういう新しくて面白いものを探しに、いつでも遊びにきてください。
■経歴
渋家という現代アート。それは人と人のコミュニケーションからコンテンツを生み出す文化事業 です。近年、現代アートという、今までの枠にとらわれないアートが注目を集めています。そして 渋家にはそのようなアーティストがたくさん集まっています。彼らは仕事と人生を共にする、大切 な仲間です。仕事と人生は共にあるべきです。仕事のために人生を犠牲にすることも、あるいはそ の逆も、生きることを決して楽にはしないでしょう。渋家は人生が楽しくなるシチュエーションの 一つとして仕事を謳歌し、仕事というシチュエーションが人生のスパイスになるような、そんな コミュニティを目指します。それは人生において様々なシチュエーションを構築するということで もあります。私たちは「シチュエーション・メイキング」というコンセプトを掲げます。世界に存 在する様々なシチュエーションを、より楽しく面白いものにするために、改めて共に構築すると いうこと。そのような人たちが集まる場所として、私たちは渋谷に家を借りています。
・1st house(2008.4.25〜2009.11.14)[Member 5→9]
・2nd house(2009.11.15〜2010.10.31)[Member 9→13]
・20 days lost home
・3rd house(2010.11.20〜2011.7.29)[Member 13→20]
・4th house(2011.7.30〜)[Member 20→36]
■主催・参加した主なイベント 2010
・「3331 Arts Chiyoda オープニング」(3331 Arts Chiyoda)
・「shibuhouse solo exhibition」(tana gallery bookshelf) 2011
・「わくわくSHIBUYA」(トーキョーワンダーサイト渋谷)
・「Art gig Tokyo 2:怖いよ、ママー!」(旧玉井病院) 2012
・「Village Project HOUSE 100」(代官山The Conteiner)
・「TRANS ARTS TOKYO」(神田コミュニティアートセンター) 2013
・「リアルインターネットおじさん」(文化庁メディア芸術祭)
・「アートフェア東京」(東京国際フォーラム)
・「渋家5周年パーティー」(2.5D)
【TV】
・NOTTV「#エンダンW – 渋家 -」(2012.6.5)
・BBC Three「Japan, Fall of the Rising Sun」(2012.7.17)
・NHK「ニュースセブン – アートフェア東京 -」(2013.3.20)
・フジテレビ「もはや神ダネ! – アーティストの卵が集まるシェアハウスで神ダネ探し -」 (2013.6.12 , 6.19 )
【新聞・雑誌・書籍】 ・『朝日ジャーナル』(2011.3.19号)「日本破壊計画 シェアハウスの人々」
・『SPA!』(2011.11.1号)「渋谷で家賃3万円の快適シェアハウス」
・『HK 2』「特集 さあ、〈いっしょに〉暮そう」(2011.11)
・『決定版 東京アートガイド』[美術出版社](2012.5)
・『地域社会圏主義/山本理顕』[LIXIL出版] (2012.6)
・『朝日新聞』(2013.1.1号)「ひとつ屋根の下、飛躍もシェア」
【WEB】 ・ガジェット通信「関係者に聞くシェアハウス"渋家"の過去・現在・未来」(2011.8.5)
・Art it asia「渋家」(2012.8.2)
・NETOKARU「渋谷にあるオルタナティブスペース"渋家"新代表に菅井早苗が就任」 (2012.9.22)
・2.5D「「渋家」が新メンバー募集、新料金は2.5万」(2013.3.13)
・Art it asia「売り渋家」(2013.3.17)
・森美術館 六本木クロッシング「全国のディスカーシブ・プラットホーム」(2013.9.21)
新代表・齋藤桂太プロフィール
1987年東京都生まれ。「日本のアートヒストリーは1960年代以降、欧米から分断されてしまっ た」というコンセプトに従って、その再統合を試みるためのプロトタイプとして、2008年4月、 まだ署名されていないパブリックな「もの」としての民家に注目し、それを盗用することによっ て顕在化する渋家(shibuhouse)を自身の作品として創設する。 そこに集まった様々なアーティスト志望の若者と対話しながら、リレーショナルアート、コンセプ チュアルアート、コミュニティアート、アールブリュット、ストリートなど、1960年代以降に欧 米で活発になったアートに関する話題を、渋家の取り扱う話題として議論し、渋家を運営する 「メンバー」と共に作品制作を行ってきた。
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