2013年10月3日木曜日

原発がテーマ! 平沢いずみ・橋本わかな出演の映画「朝日のあたる家」が公開

9月28日、映画「朝日のあたる家」の初日舞台あいさつが渋谷・アップリンクで行われ、並樹史朗・斉藤とも子・平沢いずみ・橋本わかな、そして太田隆文監督が登壇した。 原発事故を扱った本作は福島で起こったことをベースにし、それをあえて福島ではなく他の地域のひとつの家族に集約され描かれており、5月に行われたロサンゼルスの映画祭ではアメリカ人が感動の涙を流し、ロケ地でもある静岡県湖西市で6月に行われた完成披露上映会では2日間で約3000人を動員。 しかし、原発事故を扱った映画ということもあり、公開がなかなか決まらず、全国の有志たちの活動で9月14日に豊川で上映開始、そして28日、満を持して東京での公開となった。 本作のテーマについて、太田隆文監督は「原発の事故は題材であって、この映画は家族の物語で、こういった時に家族はどうあるべきか、何をするべきなのかを考えてほしい。」と語ると、並樹史朗さんは「僕は原発問題とか難しいことはわからなくて、『家族ってこうじゃないかな』と思って一生懸命演技しました。このお三方を家族だと思ってやっていた。それを守ろうとして守れない男の悔しさ、そんな気持ちで叫んだ。」とコメント。 原発事故に遭った家族の映画を作るにあたってどのような勉強をしたか質問され、太田隆文監督は「この映画のエピソードは全部、僕が取材したり調べたり聞いたりした福島で本当に起こった話をベースに、ひとまとめにして、平田家に集約したので、リアリティーがないといけないということで、4人には、福島の人に会っていただき、原発事故を勉強していただいた。」 斉藤とも子さんは「監督からDVDを何枚か渡され、『これ勉強してきてください』と言われた。全部で4時間位あったが、編集した監督がすごいと思ってグッときた。特番だけでなく、ニュースの間の2-3分のものも全部入れてあり、あれを見ると、色々な状況もわかるようになっていた。現場に、福島原発で働いていた方がアドバイザーとしては入ってくださった。その方は福島から避難され、静岡の近くに住まれているのだけれど、その方に、防護服の着方や、この時こういうことをしているのはおかしくないかだとか、何かあるとすぐに確認しながら演じられた。」と語る。 また、一時帰宅のシーンについて、斉藤とも子さんは「自分たちが長く住んできた愛する家がぐちゃぐちゃに荒らされているシーン。自分と役の境がなくなっていたので、すごく辛かった。いずみちゃんが一人になって気持ちを作って準備しているのがわかったし、監督から『(平沢演じる)茜に任せて一発本番で行く』と言われていた。」と語ると、平沢いずみさんは「(斉藤のアドリブは)母親の言葉になっていた。お母さんだったらこういうことを言うんだろうなと思う。言葉が汚くなっていても、それが逆に説得力があった。こういうときにはきれいな言葉なんて絶対出ないなと思った」とコメント。 すると、斉藤とも子さんは「言ってしまったあとびっくりした。『逃げなきゃ死ぬの!』と言ったが、本当に死ぬとかいう意味ではなく、母親は逃げない娘がいると、言ってしまう。以前、事実のフィルムを見せて頂いていた。その言葉はないが『帰りたくない』と言っている娘をひっぱたく母がいた。そうなるんだなというのが、やってわかった。そのことがせつなくてせつなくて、カットと言われた後2人で大泣きした。」と明かす。 そして平沢いずみさんは「本当はリハーサルで様子を見てから現場に入るが、初めて見た時に自分の家が荒らされているというのを目の当たりにしたかったので、監督に無理を言ってリハーサルも見ないで、部屋の状況も撮影をする時に初めて見るという形をとってもらって、より感情を入れやすくしてもらった。自分が大事にしていたものが他人に荒らされていたり、避難したのに、それを逆手にとって悪いことをしてくる人がいたというのは本当にあったドキュメンタリーからもらった話だったので、実際にニュースで見たりして、この女の子はどんな気持ちだったのか考えて撮影に挑んだ。」と語っていた。 また、山本太郎さん演じる光太郎伯父さんが病院に見舞いにくるシーンについて、太田隆文監督は「リハーサルで、スタッフもみんな泣いてしまった。太郎さんの芝居は、せりふでなく、本気。『長生きせーや』というのは彼のメッセージであり、思い。それを僕が台詞にさせて頂いた。照明部や撮影部は、『(現場は)助手に任せますから』とスタッフが隠れて泣いていた程の名演技であり、福島の人たちの体験である。」と語ると、橋本わかなさんは「リハで、太郎さんが『軽めでいけよ。70%でやれ』っておっしゃられて、『わかりました』と言ったのに、太郎さんの言葉ひとつひとつがズシーンときて、涙が止まらなく、本番じゃないのに大泣きしちゃって、目も耳も真っ赤になっちゃった。本番前に涙を出し切っちゃったみたいで、太郎さんに『お前100%いってどないすんねん。言うたやろ、100でいけって』と注意された。」と厳しく演技指導されたことを明かしていた。 この日、福島県福島市の福島フォーラムでの上映が決まったことが発表され、太田隆文監督は「福島の方々にこちらから『見てください』とは言いづらいものがあるが、支配人の方から、『これは福島で見るべき映画です。ですからやらせてください』と連絡があった。福島以外の私達がこの映画を見て、『彼らの身に起こったのはこういうことだったんだ』ということを考えたり、原発に興味ない人、福島のことを忘れてしまった人たちに紹介していただいて、広げていければいいなと思っています。」とアピールしていた。 映画「朝日のあたる家」は渋谷・アップリンクほか全国にて順次公開。 情報提供・写真提供:(C)渋谷プロダクション ■関連リンク 「朝日のあたる家」公式HP  続きはこちら(元サイトへ)

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