女優の岡本夏美さんが現在ドラマ『大江戸スチームパンク』(テレビ大阪などで放送中)に出演している。
江戸と似ているようで違う街「大江戸」が舞台。鍛冶屋で修行中の佑太(萩原利久)は、天才発明家・平賀源内(六角精児)と出会い、着た者の力を数十倍にまで高める「蒸気力甲冑」を与えられる。佑太は、大江戸の街に忍び寄る「秘密結社シマヴァラン」に対し、甲冑を身にまとい"スチームパンク"となって立ち向かうというストーリーとなっているが、岡本さんは、シマヴァランから、源内をおびき寄せるために襲われるなど、源内や佑太となにやら関わりがありそうな女性・お照役を演じている。
--時代劇は今回が初めてだと思いますが、でも時代劇というにはちょっと異質な作品ですね。
「はい。自分でも時代劇をやっている感覚ではないので、その辺りはなんの心配もなくやっています」
--衣装も正統派の時代劇っぽくなく……。
「みんなそれぞれキャラクター衣装というか、そもそも時代劇の"江戸"ということではないので、女の子でいうと、お着物を着ているのがお照ちゃんくらいで、あとはみんなちょっと変わった衣装を着ていて、逆に一番王道で演じられる子だったので。みんながたくさん遊んで演じてくださる分、私は物語の軸の部分をやらせていただきました」
--設定がゆるいというか、かなり自由な世界感ですね。
「そうです、そうです。時代ものなのに時計をつけていたり(笑)、いろんなものがコラボレーションしている作品なので、細かく演技プランを用意していくというよりは、この世界観をみんなで大きく膨らませていくという感じで。この『大江戸スチームパンク』という作品だからこそできるお芝居とかセリフの言い回しをみんなと一緒にやらせてもらっていた感じです」
--共演者のみなさんのノリからして、撮影現場は楽しそうな雰囲気だったと察します。
「ほとんどが先輩なんですけど、面白くて毎日とても笑っていたので、毎回楽しみに現場に行っていました。温かかったですね。これまでコメディ作品を先輩の役者さんたちとやらせてもらうことは少なかったので勉強になりました。シマヴァラン 天草四郎役の袴田吉彦さんはお芝居の引き出しがたくさんあり、テストと本番では違ってさらに面白くなっており、一つのセリフでこんなにたくさんの表現の仕方があるんだなと、今回ご一緒して改めて勉強させていただきました。控え室でのみなさんとのトークもとても興味深くて、興味津々で聞いていました」
--壁にぶつかって考え込むということもあまりなく?
「そうですね。この現場は考えこむというよりも、その場で生まれたものをみんなで楽しんでいく感じでした。ちょっと不思議な間が空いたりすることさえも楽しんでいて。声のトーンとか手振りとか表情とか、画面から見えるところでの役の作り方を今回は特にやっていきました」
--楽しみながらお照を演じていたようですね。
「はい。お照ちゃんって実はすごい秘密を持っている子なんですよ。それが回を増すことに出てくるので、そういった面白さもあります。『あ、こうだったんだ』という、どんでん返しというか、大きな謎も解決するので、それも楽しみに見ていただければと思います。」
--なんだろう? それは楽しみ。
「物語が進むに連れてキーパーソンになっていって、お照ちゃんがきっかけでシマヴァランとの闘いが始まったりだとか。私は秘密を知った上で演じていましたので、最初のほうはバレないように気をつけて演じていました。それも楽しかったですね」
--昨年は『春のめざめ』という、岡本さんにとってはターニングポイントになるような舞台もありましたが、今回はそれとは真逆のアプローチの作品です。
「『春のめざめ』は演劇ということもありましたし、やっぱり内面で表現するということ、"形を考えないでやる"というテーマがあったんですけど、今回はまた違ったアプローチの仕方だったんじゃなないかなと思います」
--昨年は『春のめざめ』以降、特に後半は女優としては露出が少なめだった気がしますが、その期間は情報解禁前の映画やドラマを精力的に撮っていたり?
「ゆっくりさせていただいてました。一人でパリに行ったりとか、楽しかったです」
--そういえば、最近も情報解禁した作品がありました。
「はい。『鈍色の箱の中で』というドラマで、それも今回『大江戸スチームパンク』で共演の萩原利久くんと一緒です」
--高校生役ということで?
「はい。制服を着させていただきました。もう21歳ですけど、着させていただけるうちは着たおしたいです(笑)。高校が舞台のドラマだけど、すごくヒューマン的な部分もあるので、そういうところに惹かれながらやらせていただきました」
--岡本さんといえば、問題を抱えていてそれと向き合っている、みたいな、何か重いものを抱えているような役柄が多い印象ですが、この作品では?
「どちらかというと、今回もいろんな問題を抱えた女の子です。そういう子が多いですね(笑)。"問題を抱えている"という表現も大雑把になるんですけど、頑張って生きていくという子が多いですね。作品の中で成長していく役をよくいただいて、それとともに私自身も成長させていただいている感覚になります」
--明るく元気で、という役よりも?
「でも、『鈍色の箱の中で』で演じている役柄も、明るく元気な女の子なんです。だけど、その子なりの大きな悩みだったり、感じる部分があって、そこに寄り添うというか、『変わっていけ』、『頑張れ』と思いながらやらせてもらっていました。心の中でどう思ってるか、どういう壁に直面しているのかというのをちゃんとお芝居で出せればといいなとずっと思っています」
--昨年『春のめざめ』を演じる前と後では女優として変わったこともありましたか?
「演出家の白井晃さんと出会って、大きく変わった部分はあります。とらわれていた何かを取っ払う芝居のやり方とか、そういう形もあるんだなと学べました。役によって作品へのアプローチの仕方は変えていきたいですし、毎回『これが正解だ』ということではないと思っているので、咀嚼しつつ、自分でその作品に合った、その役に合ったやり方を見つけていけたらいいなと思います。『春のめざめ』のときは、毎日が必死で、立ちはだかるいろんな壁に頭から突っ込むみたいな感じだったので、記憶がない部分もありますが(笑)」
--まさに体当たりの熱演となりましたね。
「初めての演劇だったということもあるんですけど、ドラマや映画のように短い期間の中で物を作っていくというところでは、自分に委ねられていると感じる部分がある中で、『春のめざめ』では、毎日こんなにダメを出される、と……。それは稽古場じゃないとできないこと。ドラマや映画の撮影だと、本番に向かうまでに自分で準備していく中で学ぶこともたくさんあるんですけど。舞台だと稽古という場所があって、どんどんと上をめざしていく段階で学ぶことがたくさんあったなと思います」
--今後やってみたい役柄などはありますか?
「20歳になった頃から、社会性のある役をやりたいと思うようになって、会社勤めの女性だったり看護師だったり、専門用語をちゃんといえる説得力のある役者になりたい。そういうものにチャレンジしたいなと思っているので、自分の教養をつけつつ、頑張りたいなと思っています」
岡本夏美(おかもと・なつみ)
1998年7月1日生まれ、神奈川県出身。2011年、「ラブベリーモデル・オーディション」でグランプリを受賞したことをきっかけにデビュー。2015年から2018年までは「Seventeen」専属モデルを務め、現在は「non-no」専属モデル。女優としては、ドラマ『GTO』(2014年)、『さくらの親子丼2』(2018年〜19年)、映画『仮面ライダー1号』(2016年)、ドラマ&映画『賭ケグルイ』(2018年)、『BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ-』(2019年)、舞台『ダンガンロンパ3 THE STAGE 2018』(2018年)、『春のめざめ』(2019年)などに出演。
『大江戸スチームパンク』はテレビ大阪にて毎週土曜 深夜1時26分~放送。テレビ放送終了後よりTSUTAYAプレミアムで配信。
また、TSUTAYAプレミアム独占配信のオリジナルエピソード「裏江戸スチームパンク」も配信中。
(公式サイト)https://tsutaya.tsite.jp/feature/original/o-edosteampunk/index
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