注目のフレッシュ女優・増田璃子さんが主演する映画『ちょき』が3日、公開初日を迎えた。当日は渋谷HUMAXシネマにて初日舞台挨拶が行われ、吉沢悠さん、金井純一監督とともに登壇。増田さんは初主演長編作品にして、目が不自由な少女という難役を演じたが、舞台挨拶では撮影でのエピソードなどを披露した。
今回、増田さんが演じるにあたって特に苦労したのは、「やっぱり目線やまばたき」だったそう。「目が全盲の方とお話しすると、目が合っているように感じ、雰囲気で感じ取るというところがあって、ただそれを映像で観たらわかりにくいかなと私なりに考えて、目線は外すように演じたのですが、そこに苦労しました」と語った。
撮影は昨年和歌山にて行われた。「私は山も海もないところに住んでいたので、最初に見えた景色が本当に美しくて、幸せに感じました」と振り返る。また人との繋がりにも感激したという増田さん。「和歌山の方と接していると、本当にみなさん温かくて。その温かさがすごくうれしくて、また和歌山に戻りたいと思う気持ちになりました」と話す。
物語のクライマックスではロングヘアをバッサリと切るシーンがある。ハサミを入れたのは美容師・ちょきさん役の吉沢さん。美しい黒髪を切るのには迷いもあったように思うが…。「サキの中でも一番精神的に不安定なシーンだと思って、私自身も同じように不安定になっていたので、芝居として切るということでなく、サキはこうするだろうという思いで切りました」と、当時の気持ちを明かした。
最後に増田さんは「この映画が私の代表作になってほしいという思いがあるんですけど、それ以上にこの映画の素晴らしさをいろんな人に知ってもらいたいという気持ちが一番大きいです」と語った。
舞台は和歌山にある小さな美容室。店主の直人(吉沢)の元に一本の電話がかかってくる。それは10年前、美容室の階上で妻・京子が開いていた書道教室の生徒・サキ(増田)からのものだった。10年前のある事件以来会っていなかった少女。彼女は視力を完全に失っていた。直人も最愛の妻を5年前に亡くしていた。空白の10年間に何があったのか?サキの思いを知り、直人は大きな決断をする…。
映画『ちょき』は渋谷HUMAXシネマにてレイトショー公開中。
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