アイドルグループ「乙女新党」が3日、渋谷・TSUTAYA O-WESTでラストライブ『乙女新党 第二幕・最終章 ~旅立ちのうた~』を開催し、2012年12月の結成から3年半に渡って活動してきたグループは同日をもって解散した。 乙女新党は、2014年7月にメンバーの入れ替わりが行なわれ、6人のメンバーで第二幕をスタートさせた。今年3月に発売された『雨と涙と乙女とたい焼き』は過去最高のオリコンランキング週間12位という記録を残し、今後の活躍にファンの期待が寄せられていた。しかし、5月に「それぞれの道へと進んだ方が良い時期が来た」という運営側の決断により解散が発表されていた。 O-WESTのキャパ600人のフロアは、隙間のないくらい超満員のファンが溢れて開演の時を待っていた。やがて、乙女新党がステージに姿を現すと大歓声が沸き起こり、6人体制になって初めてリリースした『ビバ!乙女の大冒険っ!!』をこの曲の衣装で披露して、ライブをスタートさせた。 セットリストは、6月29日に発売されたラストアルバム『乙女新党 第二幕 ~旅立ちのうた~』はもちろんのこと、これまでに発表したすべての曲を盛り込んだ、まさに集大成というべき内容となった。(初期メンバーによる自己紹介ソング"乙女新党のうた"を除く) ファーストワンマンライブで初披露された『ボクだけの世界』など盛り上がる曲が続き、会場は歓声がいっぱいにこだまして、惜しみないエールが注がれた。まりと真優のデュエット曲『NとS』で二人の仲の良さを見せつけたあとは、新メンバーオーディション当時の初々しいメンバーたちの映像が映し出され、改めて彼女たちの成長を感じさせた。 『キミとピーカン☆NATSU宣言っ!!!』の衣装に着替えて同曲を披露すると、会場は一気に夏真っ盛りのような熱気につつまれた。続く『乙女の365日』は"楽しい毎日を過ごそう"という前向きな歌詞だが、この日は、これまで彼女たちが乙女新党として過ごしてきた毎日が、かけがえのない日々だったということを改めて気づかせる曲となった。 しかし、"感傷的になるのはまだ早い!" と言わんばかりに次の『ファイヤイヤッ!!!』ではタオルを振り回して、彼女たちは客席を煽った。それぞれのソロパートでは、窮屈な姿勢になりながらも、自分の想いを1ミリでも近くに届けようとするファンのケチャがステージに伸びた。 結成当時から乙女新党を支えてきたあやめと優里花による『凸凹解決せんせーしょん』に続いて、第二幕を振り返る映像を挟みつつ、『ツチノコっていると思う…?♡』の衣装に着替えて登場して、同曲を披露した。そして、彼女たちの日常をストレートに歌った『胸を張ってこう!』では、優里花とまりのサビの部分が、まさに今日の日を予言していたかのようで、胸を熱くせざるを得なかった。 ライブの終盤戦を前に流された映像では、「党員のみなさんへ」と題して、これまで応援してくれたファンへのメッセージが伝えられた。メンバーたちはそれぞれに、ファンへの感謝の気持ちや、青春のすべてを乙女新党に懸けてきた想い、ファンと積み重ねた思い出などを語った。昨年の秋から今年の4月まで病気療養のため活動を休止していた愛里は「お休みしている間は、ファンの人たちが書いてくれたノートや、折ってくれた千羽鶴を眺めて心を温めました。早くファンの人達のために戻りたいと思っていました」と当時を振り返って感謝の気持ちを伝えた。 今年3月にリリースされたシングル『雨と涙と乙女とたい焼き』のジャケットには療養中だった愛里の姿はないが、4月に復帰して6人のパフォーマンスが披露された際は、「やっぱり、乙女新党は6人だよね」とファンを喜ばせ、この6人で乙女新党の最後を飾ることができたことが何よりの救いになった。 後半戦のハイライトは卒業を歌った『サクラカウントダウン』。 ソロパート直前にこらえ切れずに泣きだしてしまったまりの肩を有沙がそっと包む姿にもらい泣きしそうになりながら、メンバーとファンが優しく見守る光景があった。 あやめが涙を振り払うようにして「ラストスパート盛り上がっていきましょう!」と客席を煽って終盤戦に突入すると、デビュー曲の『もうそう★こうかんにっき』から『2学期デビュー大作戦!!』そして、最後は『新・乙女新党のうた』のコンボでファンのテンションも絶頂を迎えた。ただでさえ密集したフロアで、入江に波が寄せるようなモッシュが起こり、歓声と推しのメンバーの名を呼ぶ声が大きく響き渡った。 本編を終えても全く熱気の冷めない会場がアンコールに沸き、やがて登場したメンバーは、ゆっくりとしたピアノのメロディーに乗せて『始まりのうた』を涙まじりに、しかし、最高の笑顔で歌い上げた。 いよいよ、最後の時を迎えメンバーたちはひとりずつ、ファンへの気持を伝える。 有沙は「この二年間は人生で一番濃い時間でした。アイドルになりたくて頑張れば頑張るほど壁にぶつかって、いろんなことがあったけれど、乙女新党が家のような、党員さんはわたしの家族のような存在ですごく楽しかったです。もっと続けて欲しいと言われた時は本当に嬉しかったです」と語り、言葉の代わりにと奥華子の『元気でいて』をアカペラで歌って客席に気持ちを届け、「乙女新党は解散しますが、自分で頑張って一歩ずつ進んでいきたい。これからも見守ってくれたら嬉しいです」と深く頭を下げた。 続いて手を上げた愛里は「乙女新党のオーディションがなかったらアイドルになっていなかった。家族のようなみんなに出会えて本当に感謝しています。すごく恥ずかしがり屋だった私が、ファンのみなさんの応援のおかげで、元気でハッピーオーラ全開の長谷川愛里でいられました。乙女新党が解散してもこの気持ちを忘れずにこれからも前に進んでいきます」と語った。 真優は、「私はオーディションに受かってなかったら、あそこに居たと思います」と客席の女性エリアを指さして、会場の笑いを誘った。最後まで自分らしい言葉で「ずっとアイドルが好きでいると自分がアイドルになりたいと思うようになって、自分が推したくなるようなアイドルになろうと頑張ってきました。正直自分でも変なヤツだと思って不安だった私を、たくさんの人が応援してくれて支えてくれました。すごく楽しくてアイドルになれて本当に幸せでした」と満足そうに笑った。 まりは、「今日は絶対泣かないと決めていたけど泣いちゃって、それは自分が思っていた以上に乙女新党が好きだったからだと思う」と言い、さらに「みなさんと作ってきた時間はきっと消えないし、みなさんの心の中に乙女新党がずっとあればそれで私はいいです。これまでの2年間はとても大切な日々で、今日で終わってしまうのはとても寂しいですが、これからは別の道を歩むので、引き続き応援よろしくお願いします」と話した。 あやめは、「わたしは感謝を伝えることしか出来ないから、みんなにお礼を言いたい」と切り出し、挫けそうなときも支えてくれた家族、お母さんみたいに面倒を見てくれたスタッフやマネージャーさんたち、甘えん坊な自分を仲間として受け入れ支えてくれた大好きなメンバーに、ありがとうの気持ちを伝えた。最後はファンに向けて、「ファンのみなさんがいてくれたから、アイドルとして楽しかったし幸せでした。本当に家族みたいな存在だったし、みんなの心に乙女新党はずっとあるから、私たちの絆は切れないし、これからも私たちが夢の先で出会えるように見守ってほしい」と話した。さらに「もうわたしは"こんなあやめ"って言いません。ここまでしてくださったみなさんがいるので、もう"こんな"なんて言わずに胸を張って生きて行こうと思います!」と締めくくった。 最後に優里花が、「今日のライブは感謝を伝えるライブにしたかったのですが、この気持ち伝わりましたか?」と客席に呼びかけるとファンは精一杯大きな拍手で応えた。「優里花はステージでアイドルをしている時が楽しくて幸せで、自分はアイドルがいちばん向いてるなと感じていました。みんなの笑顔が大好きで、優里花がもっともっとキラキラしたら、もっともっと笑顔が増えるんじゃないかなと思って一つ一つのライブを大切にしてきました。これからはアイドルじゃなくなっちゃうけど、応援してくれたことは忘れません。これからも高橋優里花として頑張っていきます」と話した。 乙女新党のリーダーとして「優里花が不安になると、みんなも不安になっちゃうので、ずっと笑顔でいようと心に決めていました。でもつらいときはファンのみんなから "つらいけど頑張ってるね" って励ましてくれて、"ちゃんと見てくれているんだな、幸せものだな" って思いました。ファンの人も含めて、みんなで支えあってきた乙女新党だと思います。みんなの支えがあったから私もアイドルでいられたと思います」とありったけの感謝を伝えた。 真優がちょっとしんみりとした空気を「何泣いてんのー、ラストだよ!盛り上がっていけますか!?」と破ると、『お受験ロッケンロール』で再び会場は熱いライブに戻った。そして、ラストナンバーの『ときめき☆パラドックス』に、ファンも力の限りの応援で応えた。 最後は「ありがとう!」の声がステージと客席でこだまする中、メンバーたちは手を振りながらステージを去っていった。 『乙女新党 第二幕・最終章 ~旅立ちのうた』 <セットリスト> 01.ビバ!乙女の大冒険っ!! 02.ボクだけの世界 03.わっしょいクリスマス 04.とりことりことりこ 05.NとS /まりと真優 from 乙女新党 06.キミとピーカン☆NATSU宣言っ!!! 07.乙女の365日 08.ファイヤイヤっ!!! 09.凸凹解決せんせーしょん /あやめと優里花 from 乙女新党 10.ツチノコっていると思う...?♡ 11.胸を張ってこう! 12.わんだほーにゃんだほー 13.世界で一番君が好き /有沙と愛里 from 乙女新党 14.雨と涙と乙女とたい焼き 15.サクラカウントダウン 16.もうそう★こうかんにっき 17.2学期デビュー大作戦!! 18.新・乙女新党のうた encore 19.始まりのうた 20.お受験ロッケンロール 21.ときめき☆パラドックス ■関連ニュース 乙女新党、ファンにとって感慨深い内容の、ラストアルバム予告映像公開 (2016年06月17日) 乙女新党、7月3日のワンマンライブをもって解散 6月29日ラストアルバムをリリース (2016年05月16日) 続きはこちら(元サイトへ)
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