メンヘラ当事者が、アートを通して世界とつながることを目的とした展覧会「メンヘラ展 Special」が、2月4日 (水) より、東京・阿佐ヶ谷のTAV GALLERYで開催される。
主催者は、東京藝術大学油画科に在学する学生であり、自身も物質誘発性精神病性障害を抱え、現在、精神科に入院中である、あおいうに。「メンヘラ展」は、2014年に2度開催され、出展者には、うつ病、摂食障害、パニック障害、境界性人格障害といった障害を抱える人々が並び、2度の開催で1500人程の来場者を記録している。
主催者のあおいうには、「メンヘラ展」展示グループの発足経緯について、「私達の目的は、アートセラピーでも、メンヘラに安住することでもありません。 承認欲求を満たすためだけのものでもありません。アートは社会との、鑑賞者との、作品との、自分との、コミュニケーションツールの一つです。自分のメンタリティを全て曝け出さなければ、表現になりません。アートを通して、メンヘラが世界と繋がる。ネットとリアルが繋がる。メンヘラのリアルを伝える。メンヘラと意識を共有する。そんな展示にしたいと思っています」と語っている。
第3回目の開催となる本展は「メンヘラ展 Special」と題して、メンヘラのバリエーションをみせる従来の形式とは異なり、少数精鋭で、より表現として洗練された作品を出展することを目指し、「メンヘラ展」展示グループから、本展キュレーター兼作家であるあおいうに、東京芸術大学先端芸術表現科に在学し、統合失調症 (現在は寛解状態) を抱える池田サチ、多摩美術大学絵画学科に在学し、鬱病、パニック障害、統合失調症を抱えるナカバヤシアリサ 、強迫性障害を抱える会社員・Fluynの4名が参加する。
また、今回はスペシャルゲストとして、「メンヘラ展」と同じく2014年に「メンヘラチャン展」を2度開催している、メンヘラチャンの作者・江崎びす子が参加。メンヘラチャンは、pixivにて漫画「リスカ変身サブカルメンヘラ」が連載され、展覧会で単行本が発売されているほか、LINEスタンプは、販売開始からトップ30にランクインするなど今サブカルチャーに特化した若者の間で注目を集めているキャラクターである。
「メンヘラ展」の活動は、2014年に登場した表現主義の新しい形として、2014年12月に刊行された美術家・中ザワヒデキ著『現代美術史日本篇 1945~2014』(アートダイバー刊) のなかで「精神障害者の制作物を美術の側からアウトサイダー・アートとして搾取する従来図式とは異なり、自傷やOD (過量服薬) や過食嘔吐といった一人だけの問題行動から自身が脱出し、世界 (他者) と繋がるきっかけとして「芸術」が位置づけられています。」と逸早く言及されており、今後、どのように現代アートの言説のなかで語られていくのかにも注目したい。
イベント情報
メンヘラ展 Special
会期 : 2015年2月4日 (水) – 2月12日 (木)
会場:TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐ヶ谷北1-31-2)
時間:11:00 – 20:00
休廊:期間中全日開廊
出展者 : あおいうに , 池田サチ , ナカバヤシアリサ , Fluyn , 江崎びす子
キュレーター : あおいうに
ウェブサイト : http://atushi1986.web.fc2.com/top.html#!page1
【関連企画】
□ 2月7日 (土) 11:00 – 20:00
「江崎びす子 握手&サイン会 / みんなでメンヘラチャンを描こう!」
漫画「リスカ変身サブカルメンヘラ」の作者であり、メンヘラチャンでお馴染みの江崎びす子の握手&サイン会を実施。また、当日は、江崎びす子の参加を記念し、「メンヘラ展」展示グループの出展者全員がメンヘラチャンを描き展示する。
□ 2月8日 (日) 12:00 – 14:00
「レセプションパーティ・あおいうに朗読ライブ」
「メンヘラ展 Special」の開催を記念したレセプションパーティを開催。誰でも参加可能です。お気軽にご参加ください。また、パーティでは、本展キュレーター・あおいうにによる自作の詩の朗読ライブが開催されます。
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